2013年9月
グダンスクから移動し、首都ワルシャワへ。
ピアノの詩人ショパンや天文学者コペルニクス縁の地です。
世界遺産の旧市街 -壊滅と復興-
ワルシャワの旧市街は世界遺産に登録されています。しかし、実は当時の街並みがそのまま残っているのではなく、第二次世界大戦後に再建されたものです。
ワルシャワの街は、ワルシャワ蜂起後その80%以上が壊滅状態になりました。
※ワルシャワ蜂起
第二次世界大戦が始まり、ドイツに占領されたワルシャワ。一方では東からソ連軍が迫ってきていた。ソ連軍はワルシャワ市民とポーランド軍からなるレジスタンス組織に蜂起を呼びかけ、共同してドイツ軍をワルシャワから叩き出す計画を確認し合う。
かくして1944年8月1日、レジスタンスはドイツ軍に襲撃をかけるが、ソ連軍はこれを傍観。レジスタンスはドイツ軍は鎮圧され、10月2日降伏。蜂起に参加したものは処刑され、街は徹底的に破壊された。戦死・処刑者合わせて22万人。
目的は、戦争終結後ソ連がポーランドを統治するに当たり、反対するレジスタンスの勢力を削ぐためだったとされる。
戦後、ワルシャワの人々は街を修復していきました。その丹念さは「レンガのひび割れ1本まで」と言われるほど。
かつての画家が残した風景画や戦前に建築学科の学生によるスケッチなどをもとにし、蜂起によって瓦礫の山となったレンガも出来る限り再利用したそうです。
建物の歴史的価値ではなく、「市民の復興に対する想い」が世界遺産だと認められました。復興した街が世界遺産となるのは世界初だといいます。
ショパン
音楽にとんと疎い自分。ましてクラシックなんて、という感じですが、ショパンのピアノはわりと好きなのです。
ワジェンキ公園での屋外コンサート
夏の間、毎週日曜に無料でコンサートを行っています。
ワジェンキ公園の巨大なショパン像(ピアノと比較するとその大きさがわかりますね!)
その横にピアノを配置。女性ピアニストの方が弾いてくれました。
天気もいいし解放感があって最高ですね〜
これが無料とは贅沢だ。
ショパン博物館
ショパンが実際使っていたピアノ
透明な筒の中ではショパンの曲を聴くことができる
全体的にデジタルな感じ
聖十字架教会
ショパンの心臓が眠る教会。
「なぜ心臓だけ?」と思うのですが、諸々の事情があるようです。
ショパンは39歳、パリで結核(と思われる病気)で逝去。
ポーランドに帰りたいと願いつつも、当時の情勢がそれを許さず、「心臓だけでも祖国へ帰りたい」と遺言をのこしていたそう。
そこで、遺体はパリの墓地に、心臓は最期に立ち会った姉・ルドヴィカによってワルシャワに持ち帰られ、アルコール漬けにしてこの教会の柱に下に葬られているそうです。
第二次世界大戦時、教会は爆破されショパンの心臓もドイツ軍によって持ち出されましたが、戦後無事に戻ってくることができたんだとか。
ヨーロッパでは、身分の高い人や著名人の心臓を遺体と別葬するという考え方が元々あったそうですが、それにしてもお姉様すごいなぁ
ちなみに他にもショパンの曲が流れるベンチがあったらしい。座ってみたかったv
ショパンの生家ジェラゾヴァ・ヴォラについては別記事で。
〈ポーランド・ワルシャワ近郊〉ショパンの生家のあるジェラゾヴァ・ヴォラへ
コペルニクス博物館
地動説を唱えたコペルニクス。
実は地球が太陽の周りを回っているというのは、古代ギリシア時代に気づいていた人がいるそうです(それもすごい)。
しかし2世紀にプトレマイオスが論じた天動説が定説となり、ローマ教会がこれを公認し、中世キリスト世界で主流となっていました。
それを覆したのがコペルニクス、ということですね。
本職は聖職者で、時間を見つけては天体観測をしていたそうです。
ポーランド科学アカデミー前のコペルニクス像
公園にあった日時計
そんなコペルニクスが愛した科学を詰め込んだのが「コペルニクス科学センター」です!
コペルニクスが関係ないのもたくさんあるがv
自転により振り子の軸がずれて回転し、円形に配置された針が全部倒れる
連動する車輪
水を汲み上げるには?
弦のない琴
男性の写真が…見る角度を変えると骸骨に!
トイレのピクトグラム可愛いv
体験できるものが多く、科学の力を実感できます。
こういうのが好きな人はずっと居られる系( ´∀`)
ワルシャワの記事にはあまり出てこなかったので穴場かも?
他の観光名所と方向がやや異なるからかもしれませんが。
個人的オススメですv
その他諸々
ワルシャワ駅近くの文化科学宮殿(写真右)。
ソビエト時代にスターリンから贈られた建造物。元は「ヨシフ・スターリン記念文化科学宮殿」という名前で、彼の死後さっくり名前が削除されたのだとか。
市民からは大不評だそうな。
夜ver。怪しい光を放っている…v
散歩していて見つけたお店。
パスタ屋さん…だろうね。斬新すぎる屋根デザイン。