「絶対焼かない」が夏から年を通じての合言葉になり、メラニンがすっかり悪役になってしまった感のある昨今。
確かに増えて良いわけではないんだけれども、実はメラニンが自分の身体を守ってくれてるんだよ〜というのを実感したお話。
Contents
色素が薄いと光を透す
サングラスは白人さんの必需品
フランス夫妻と昼食を取り、レストランを出た途端、「あ。」と旦那さんが声を上げた。
「サングラス忘れた。。」と言ってくるりと踵を返し、店内に戻っていく。
「サングラス?してたよね?」
「あれは室内用のサングラス。忘れたのは屋外用のよ」
あ〜そういえばごはん食べる時もサングラス掛けてたね。
ってことはレストラン入った後掛け直してたのか。
自分は典型的?な黄色人種、奥さんは褐色よりの肌で焦げ茶色の瞳(コロンビアはいろんな肌の人がいる)で両方外でも裸眼で平気。
対して旦那さんはThe白人さんって感じで、金髪碧眼というほどではないにせよ全体的に色素が薄め。
旦那さんが店から出てくる。
「あったの?」
「あった。良かったよ」
と安堵のため息をついた。こちらを振り返り
「これがないと外を歩けないからね」
そんなにその瞳は光を透すのか…ちょっとびっくり。
そんなわけで、ヨーロッパの夜のレストランはとても暗い。夕方薄暗くなると、ウェイターがテーブル上のロウソクに火を灯しに周る。
電気の照明があっても間接照明とか柔らかな光で、日本みたいに白色蛍光灯とかまず無い。
とってもムーディーで、料理の写真撮っても暗くてよくわからない^^;
メニューもちょっと読みにくいんだけど、白人さんたちにとってはそれがちょうどいいくらいなんだね〜
肌が黒くならず赤くなる
こっちは肌の話だけど、白人の友達と海に行った時も、日に焼けて身体中が真っ赤っかになっていた。
日焼け止め塗ってたけど(正直塗るのが遅いよ!とも思ったけど^^;日焼け止めは日に当たる30分程前に塗りましょう)
それで焼けても黒くならないんだよね。ずっと赤いまま「ヒリヒリする〜」って言っていた。
色素が薄いのは光が透けて綺麗に見えるけど、そういう大変さもあるんですね。
ヨーロッパと言っても、色々交ざったり混ざったりしてるし、髪染めたりカラーコンタクト入れたりもしてるので一概には言えないけど、北方が色素が薄くて、南方が濃い傾向を感じます。
メラニンが身体を守る
白人は、皮膚がんになるリスクが黒人・黄色人種の10倍以上
以下は、アメリカの医療研究機関による、人種・民族別の皮膚がんの罹患率のグラフです。
A/PI(青線)がアジア人/太平洋系ということで、日本人はここに含まれるようですね。
ちなみにAI/AN(緑線)はネイティヴアメリカン/アラスカ人。
こうしてみると、がんにかかる率が黒人・次に黄色人種が低く、白人はその10倍以上となっています。
メラニンには2種類ある
そもそもメラニンとは、肌や髪・瞳などの色をつくっている色素です。以下の2種類のメラニンがあり、その割合で色が決定します。
ユーメラニン 茶〜黒系の色素、黒人やアジア人/太平洋系に多い
フェオメラニン 赤〜黄系の色素、白人に多い
黒人 ユーメラニンが多くフェオメラニンが少ない
白人 フェオメラニンが多くユーメラニンが少ない
アジア人 ユーメラニン・フェオメラニン両方を含む
日本人でも色黒/色白の人の違いはここから来てるんでしょうね。
ユーメラニンは天然の日焼け止め
さて、人体にダメージを与える紫外線に対し、ユーメラニンがどのように身体を守っているのでしょうか?
紫外線が身体に当たると、メラニンを生成するメラノサイトに「色素を濃くして肌を守れ!」という指令が行きます。生成されたメラニンが紫外線を直接吸収し、真皮(肌の深層)に届くのを防ぎます。
また、紫外線が当たると、細胞を守るため、紫外線の有害物質を殺菌する活性酸素が発生します。しかし、活性酸素が増えすぎると、その殺菌作用により逆に細胞が傷つき、老化が促進されてしまいます。
その活性酸素を除去するのもユーメラニンの役割です。フェオメラニンは逆に活性酸素を発生させてしまいます。
そういえば小さい頃、親が「白人さんはシワが多く、黒人さんは肌のキメが細かい」と言ってたということを思い出し、そんなところに繋がるとは、とちょっと驚きました。
ちなみに生成されたメラニンは、通常はターンオーバーにより体外に排出されます。
しかし生成量が過剰であったり、ターンオーバーが乱れていたりすると、表皮細胞に留まり色素沈着して、シミとなります。