2013年9月
ホロコースト
ナチス率いるドイツが組織的に行った、ユダヤ人等の大量虐殺。
ドイツ及び占領地のユダヤ人を拘束、強制収容所へ送り、強制労働や人体実験、ガスによる毒殺等により、少なくとも600万人が犠牲となった。
国なき民の背負った暗黒
ベルリン・ユダヤ博物館に行きました。
コの字型をした赤い屋根の旧館とジグザグの形をしたグレーの新館、両方が博物館。
新館には傷を思わせる大きな切れ目が入っている。
設計者はダニエル・リベスキンド。ポーランド生まれ、ユダヤ系アメリカ人でホロコーストの生存者。
アメリカ・ニューヨークのワールド・トレード・センター跡地再建にも関わっている。
ワールド・トレード・センター跡地に建てられたフリーダム・タワー
旧館の入り口から入ると、荷物検査と金属探知機によるチェック。厳重。
すぐに地下に下り、新館に入る(新館には地上からの入り口がない)。
路が分かれ交差しており、それぞれ「亡命の軸」「持続の軸」「ホロコーストの軸」と呼ばれる。
「亡命の軸」およびその先の「亡命の庭」は床や柱に傾斜がついていて歩きにくい。国を追われたユダヤ人たちの不安を象徴しているという。
「ホロコーストの軸」には、犠牲者の遺留品や手紙が展示されている。
ヒトラーが政権に就いた1933年より、ユダヤ人は外出時このワッペンを身に着けなければならなかった。
強制収容所への送致が本格化するのは1942年頃。
最奥には「ホロコーストの塔」がある。24mの真っ暗な空間、その上部にぽっかり窓が開いており、外からの明かりが入ってくる。
犠牲者を悼むための場。収容所に押し込められたユダヤ人たちは、何を想うのか…
記憶のヴォイドと呼ばれる部分。イスラエル建築家メナシェ・カディシュマンによるインスタレーション(空間自体を作品とする芸術)。顔に見えるのは鉄板で出来ている。ここは通路で、この上を歩くと鉄板同士が擦れ大きな音を立てる。悲鳴を上げているかのよう。
持続の軸から長い階段を上ると、ユダヤ人の歴史や生活を扱った展示室に出る。
こちらもかなり規模が大きく工夫が凝らされていて、見応えがあります。
こちらのサイト様に写真付きで詳しく書かれています〜
ベルリン旅行(2) ユダヤ博物館【翻訳修行と子育ての日々inウィーン】
世界にユダヤ博物館はいくつかあるそうで、他は訪ねたことがないので比較はできないですが、体験できるという点でベルリンはおすすめできる所だと思います。