2013年8月
2日目。
旅慣れてないがゆえの、あれやこれやで密度がすごく濃かった日です。そんな中、白昼に襲い来るケチャップ強盗!
『魔女の宅急便』のモデルになった街ガムラスタン
宿は一晩しか取ってなかったので、チェックアウト。大抵の宿はチェックアウト後も荷物を預けておけるのだけど、そんなことすら知らない旅超初心者の自分は、キャリーを転がしながら宿を出た。
なんで宿を1日しか取ってなかったのかというと、やっぱりスウェーデン、ホステルでも宿代がそこそこするので、現地でもうちょい安い宿が見つからないかと思ったから。それが完全に裏目に出て、この旅史上最高値の宿に泊まることになってしまうのだが(-_-;)
泊まったホステル。朝になってみるとこんな感じ。
まぁそんなこんなで向かったのは、旧市街ガムラスタン。ストックホルムという街が始まった場所で、魔女の宅急便のモデルになったというエリア(モデルになったとされる場所はいくつかあるみたいですね)。
ノーベル賞博物館。ノーベル賞授賞式や晩餐会を行う施設も、ガムラスタンではないですが近くに。
ストックホルム王宮。国王の執務室が置かれている。ちなみに国王は国家の象徴で、政治的権力は持っていないそうです。日本の天皇と同じですね。
えらい人が集まってるなーと思ったら、衛兵さんの交代式をやっていました。
勤務を終えた衛兵さん。すぐ目の前を通るのでびっくり。
動画を見たい方はこちら。キレイに撮影されてます。
街中は基本石畳です。この中をキャリーでゴロゴロ…騒音ゴメンナサイ。
うん、キキっぽいですね〜かわいい。
昔使われてたレジかな。
お昼を食べたいけど、どこもかしこも白人さんばかりで入る勇気が出ない。そんな中。
コープがある!でもやっぱりお高いな〜と思いながらパンを買いました。ちなみに「nara」というのはコンビニタイプの小さな店舗を示すようです。
ケチャップ強盗現る
ガムラスタンでの散策を終え、どうしようかな〜とケータイを見ながら信号待ちをしていました。
「君、なんかついてるよ」
背後から声をかけられ、えっと思いながら振り向くと、サングラスの男の人が立っていた。
「ほら、背中汚れてるよ」
背中を見ると、カーディガンに赤いものが。カバンにもついてる。
「上着脱いだ方がいいんじゃない?」
突然のことにパニックを起こしながら、ふと相手を見てみる。手には大量のペーパーナプキンが。
瞬間、ある映像が脳裏に蘇る。出発の数日前、母に「ちょっと来てみ!」と言われて行ってみると、テレビでやっていたのは「海外の犯罪特集」。ケチャップを相手にかけ、汚れを拭いているスキに、仲間が荷物を持ち去っていくのだ。「こういう事が起こるかもしれないから見ときなさい」
母上、ジャストミートです!
相手を退けようとして「いや大丈夫」と言うが、相手は中々引き下がらない。何度かのやりとりの後「いいから、もう行って」と言うと、渋々相手は立ち去った。
「ほんまにあるとは…」と思いながらティッシュでケチャップを拭き取る。カバンを前に回して拭いていたら、太腿の裏に軽い衝撃があった。
振り返ると、一人の男が立ち去っていくところだった。新手、というか恐らくさっきの仲間が、もう一回ケチャップをかけに来たのだ。サングラスに黒い革ジャン、ジーパンを着たその男は、左の道に入っていく。
あ〜ジーパンもやられた。。すぐに立ち去らないといけなかったか。
新たなケチャップに構わず、ティッシュを片付けて立ち去ろうとする。
すると左の道から、サングラスに白いTシャツ、ジーパンの男がやってきた。手に黒い革ジャンを抱えている。
「君、なんかついてるよ」
怒るべきなのか呆れるべきなのか。男にかまわず歩き出し、人通りの多い場所まで出て、ようやく汚れを拭き取った。
ケチャップ強盗に遭った現場。
宿難民と、それを救ってくれたおばさま
なんとか窮地は脱したものの、これからどうしようか。
ひとまず宿を確保しなければならないと、バスターミナルの無料wifiを利用して宿探し。昨日泊まったホステルは満室。他に近くで空いているところはない。8月も下旬とはいえ、さすがハイシーズン。検索範囲を広げると、ちょっと離れるけど空いているところがあった。
HostelWorldはネットでの当日予約はできない(今はできるっぽいですね)。電話すべきだろうと思ったけど、英語での電話に恐れをなして、直接行くことにした。
キャリーと歩くこと1時間半。目的のホステルにようやくたどり着いたけど、受付のおじさんから「今日は満室だよ」。近くのホテルを教えてもらい、ホステルを出た。しばらく歩くが見つからない。そんなに遠くないと言っていたので、道を間違えたか。
すれ違ったおばさま(おばさんじゃなくおばさまって感じ)に、この辺にホテルがあると聞いたのだけど、知っているかどうかと尋ねた。おばさまは「知らないわねぇ…ごめんなさい」。
おばさまが立ち去った後、Google Mapとにらめっこ。この先にあるのは工業地帯っぽい。引き返そうとしていると、さっきのおばさまが立ち止まって、手を振っていた。「ここじゃないかしら」ケータイの画面を示して、指を指す。たぶんそうだ。曲がるところを間違えたらしい。
帰り道だからと、おばさまがそこへ送り届けてくれた。「Have a nice trip.」
しかし、このホテル。どう見ても高い。ホテルってだけでももちろんホステルと比べたら高いのだが、それ以上に高そうだ。
受付に行って空室があるか訊いてみる。「ありますよ。シングルルーム朝食付き1,690Skrです。」日本円にして26,533円(当時のレート1Skr=15.7円)。
くらっとしたが、背に腹はかえられない。ちなみに昨日の船型ホステルは355.50Skr(=5,510円)。
部屋に入ると、ベッドやシャワールームだけでなく、キッチン・ダイニングがついていた。壁には絵が飾られていて、ベッドには枕が3つ置かれていた。そりゃーお高いわけですね。うん。
すごいスタイリッシュなシャワールームでケチャップを落として、coopのパン食べて、その日は熟睡した。
ケチャップ強盗、ケチャップ落としてる時はかなり腹立たしかったけど、慣れぬ地でキャリー引きながらトロトロしてて、そういう人たちからすればまさにカモだったんだろうなぁと後から思いました。この件があったから、多少なりとも危機管理の意識が芽生えて、後の治安の悪い地域でも大丈夫だったんじゃないかなと。